

著:ローマン・クルツナリック
訳:横山啓明、加賀山卓朗
判型・頁数:四六判、464ページ
発売日:2018年01月26日
■紹介(出版社サイトより)
どのように生きるべきなのか――その手がかかりは「歴史」にある。
「歴史」という魔法の箱(ワンダーボックス)を開ければ、たちまち好奇心が刺激され、私たちの生活に、新しいアイデアが見つかる。
愛、家族、感情移入、仕事、時間、お金、感覚、旅、自然、信念、創造性、死生観など、誰もが人生でぶつかる問題に、「歴史」が答えてくれる。
「三千年の歴史から学ぶことができない者は、その日暮らしの生活を送っているにすぎない」
――ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
■目次
序文
Part 1 関係を育てる Nurturing Relationships
1 愛について Love
愛の六つの形
ロマンティックな愛の神話
どうしてキスだけでは満たされないのか
2 家族について Family
失われた主夫の歴史
家族の会話がこれほど難しいのはなぜだろう。
3 感情移入について Empathy
蛇と鳩
いかにしてクー・クラックス・クランから抜け出すか
いかにして浮浪者になるか
大衆による感情移入と社会の変革
感情移入という目に見えない糸
Part 2 生活を形づくる Making a Living
4 仕事について Work
ピン製造工場から逃げる
価値観―自分の信念に忠実であること
目標―明確な任務
尊敬―承認の探求
才能―ひとつの道に秀でた者か、博学多識か?
仕事は理想に見合っているか
5 時間について Time
時計の専制支配
生活のなかの隠
メタファー
喩
ゆったりとした生き方
矢と輪と時間からの解放
時間と責任
6 金銭について Money
私たちはどうして買い物に消費されるようになったか
簡素、簡素、簡素
Part 3 世界を見つける Discovering the World
7 感覚について Senses
五感に対する思いこみ
目の絶対的支配
闇の可能性
ラザロの膝
8 旅について Travel
巡礼者
旅行者
放浪者
探検家
9 自然について Nature
どうして森や山は美しくなったか
バイオフィリアと生態学的自己
自然の終焉後の生き方
Part 4 因習を打破する Breaking Conventions
10 信念について Belief
信念の継承
現実が変われば、意見を変える
ギャップに気づくこと
超えることで得られるもの
11 創造性について Creativity
ミケランジェロがいかにして創造的精神を破壊したか
自己表現―我料理する、ゆえに我あり
作る人―ものづくりは役立つ
慣習を破る―
ヌーディスト、共産主義者、菜食主義者を称えて
12 死生観について Deathstyle
死と踊る
死のコミュニティ
高齢者の介護方法
デススタイルの文化
■著者プロフィール
ローマン・クルツナリック(Roman Krznaric)
文化思想家で、日々の暮らしの重大な問題について指導するロンドンのスクール・オブ・ライフの設立メンバー、教師である。オックスファムや国連などの組織に、感情移入と会話を使って社会を変えるよう助言し、イギリスの傑出したライフスタイルの哲学者のひとりとして、オブザーバー紙にも名前が挙げられた。
シドニーと香港で育ち、オックスフォード大学、ロンドン大学、エセックス大学で学んで、博士号を取得した。ケンブリッジ大学とシティ大学ロンドンで社会学と政治学を教え、中央アメリカで難民や現地の人々と人権活動に携わった。数年間、オックスフォード・ミューズ―個人的、専門的、文化的な生活において勇気と創意を刺激することをめざす前衛的組織―でプロジェクトの責任者を務めた。ふだんは公のイベントで感情移入、愛の歴史、仕事の未来、生き方などをテーマに講演を行なっている。最近では、エディンバラ国際フェスティバル、ラティテュード・フェスティバル、ロンドン・デザイン・フェスティバルに登場した。
ローマンは、アラン・ド・ボトンが編集したスクール・オブ・ライフの実用哲学シリーズの一冊、『仕事の不安がなくなる哲学』の著者である。また、The First Beautiful Game: Stories of Obsession in Real Tennisでスポーツが人生に与えるものについて書き、歴史家セオドア・ゼルディンと共同でGuide to an Unknown Universityも編集した。彼の著作は十カ国以上で翻訳され、感情移入のみに集中したブログwww.outrospection.orgは世界中のメディアに取り上げられている。
ローマンは熱狂的なテニスプレーヤーで、園芸家としても働き、家具作りに情熱を注いでいる。詳細はウェブサイトwww.romankrznaric.com.を参照されたい。
■訳者
横山啓明(よこやま・ひろあき)
1956年生。早稲田大学第一文学部演劇学科卒。英米文学翻訳家。主な訳書に、ミステリーのジョン・ダニング『愛書家の死』、マイケル バー=ゾウハー『ベルリン・コンスピラシー』、チャールズ・カミング『甦ったスパイ』、マーク・ヘンショウ『レッドセル』、ジョージ・P.ペレケーノス『変わらぬ哀しみは』、スティーヴ・キャヴァナー『弁護士の血』、ジョン・コラピント『無実』 、またノンフィクションにスティーヴン・ウォーカー『カウントダウン・ヒロシマ』( 以上早川書房)、ジュディ・ダットン『理系の子』(文藝春秋)、他多数。
加賀山卓朗(かがやま・たくろう)
1962年生。東京大学法学部卒。英米文学翻訳家。主な訳書に、ディケンズ『オリヴァー・ツイスト』、『二都物語』(以上新潮社)、ジョン・ル・カレ『地下道の鳩』、グレアム・グリーン『ヒューマン・ファクター』、デニス・ルヘイン『夜に生きる』(以上早川書房)、マーカス・バッキンガム『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』(日本経済新聞出版社)、他多数。